世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


レディ・オブ・ザ・グレン トバモリー  8年  68.2%

  • 地域: アイランズ
  • ブランド: ハンナウイスキーマーチャンツ
  • 価格帯: £26-70
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:156号

ロブ・アランソンSCORE8.0

香り
パンチの効いたスモーク香があり、その後に農場の匂いへと方向転換する。腐葉土、刈りたての大麦、掘り起こしたばかりの土。かすかな硫黄の匂い、マッチの燃えさし、熟成中のタバコの葉。幾分かのフルーツ香が突き抜けてくるものの、すべては農場の匂いに支配されている。
スモーク風味がさらに強まって支配的に。焼き立ての温かいクロワッサンとバター。ライムマーマレード。炭火で焼いたパイナップルとマンゴー。
フィニッシュ
余韻は長く、パンチがある。加水するとスモーク香が増す。
コメント
加水するとアルコールの刺激が後退し、さらに甘みが立ち上がる。

リンジー・グレイSCORE7.5

香り
チーズボードを連想させる匂い。パルメザンチーズのスライス、トマトのグリル、ブリーチーズとベーコンのサンド、オーブンで焼きたてのソーセージロール。ブレーキで焦げたタイヤの匂いもはっきりと感じられ、ハードカバーの古書やかすかなレモンメレンゲパイのような印象もある。
硫黄の匂いが舌の感覚を覆い、石炭の煙としおれたホウレンソウのような味が顔を覗かせる。水を少し加えるとクリーミーな柑橘風味が突き抜けてくるが、存在感はさほどでもない。
フィニッシュ
オイリーな感触が舌全体を包み込む。野菜のような塩気が後味を引き伸ばす。
コメント
チーズが大好きな人におすすめ。気の弱い人はご注意。

レディ・オブ・ザ・グレン トバモリー1995 20年  20年  56.6%

  • 蒸溜所名: ハナ・ウイスキー・マーチャンツ
  • 地域: アイランズ
  • ブランド: トバモリー蒸溜所
  • 価格帯: 71-120
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:134号

クリス・グッドラムSCORE9.0

香り
フェノール香があってツンとくるが、ピート香がそれほど強い訳でもない。海と柑橘の匂いがとても強く、ほとんど製粉状態のような大麦の香りがあり、モルトビスケット、船乗りの衣服、渋味のあるハーブ香、かすかなグースベリーなどを感じる。
フルボディの大麦。やわらかなハチミツとくっきりした柑橘。ドライでウッディーなピートや、さらにドライなオークと共にモルトの風味が現れて舌の中央付近でダークな感触が強まるが、甘味でうまくバランスをとっている。
フィニッシュ
見事なまでに長い余韻。ドライで塩気があり、大麦と柑橘の風味が持続する。
コメント
美しい落ち着きとバランス。この力強さを愛さずにはいられない。

ジョエル・ハリスンSCORE8.8

香り
驚くべきモルトとバニラの香りが主体で、白い花やピーチの匂いが立ち上がり、素晴らしく壮麗なアロマのブーケを締めくくる。
オーク、バニラ、夏の赤いフルーツ、牧場の白い花、ミルクチョコレート、いっぱいのクリームミルクなどを集めた手堅いバランス。実に味わい深い。
フィニッシュ
少々のスパイスと、それよりも強いオーク。それにあの盛大なバニラミルクセーキの一撃。
コメント
心地よい、バランスのとれた1本。「よくできた、まっとうな普通のウイスキー」を判定するひとつの基準。